借入金の返済は経費では有りません!
1年ぐらい前まで4年間簿記の講師をしていました。
簿記検定を目指すと言う訳では無いのですが、事業主や法人の経理担当者相手に講師をしていました。
その中でも説明した事が有るんですが、これは結構「えっ!?そうなんですか?」と言われる事です。
「借入金の返済は費用では有りません!」
細かく言うと借入金の返済の内利息に相当する部分は費用ですが…
簿記の仕訳では
(借入金) 84,000円 / (普通預金) 89,532円
(支払利息) 5,532円 /
と言う風になります。
細かい話は抜きにすると借入金の返済は費用では有りません(しつこい)。
よくこの話をすると経営者の方等にびっくりされるのです。
と言うのも借入金の返済は「お金の減り」が有ります。支出はするのに費用では無いので不思議に感じられる様です。
私達専門家にしては至極当然の話なのですが、キャッシュフローと損益計算とは異なります。
つまりお金が出ていった(支出した)からと言って、それが費用と言う訳では無く、またお金が入ったからと言って、それが収入になるかと言えばそうでは無いのです。
「先生、それでもお金出ていってますよ。おかしくないすか?」と聞かれた事が有ります。
その時に「では、お金を借入れた時お金入ってますよね。その時に収入にあげても良いですか?実際収入にはあげてませんよね?」と逆にお尋ねしました。
そうなんです。もし、これを経費として認めようとすると借入れた時に収入にあげないとつじつまが合わないのです。
だから…借入金の返済は費用では無いのです。簿記検定等を勉強している方で理論的には「負債の返済」に該当するので費用では無いと言った方が良いかも知れませんが…
でも、気を付けないと駄目なのが、上記で書いたキャッシュフローと損益計算とは異なると言う部分なのです。
税金等を計算する時に必要なのは損益計算になりますが、事業主、経営者で有れば利益の他にもう一つ大事な部分が有ります。
資金繰りです。
売上がいくら計上されても、それが売掛金が主で有った場合など現金で回収されなければ、経営に多大な影響を及ぼします。
この様に損益計算をするのと同時にお金の流れの計算、キャッシュフローについても考える必要が有ります。
特に今は認定経営革新等支援機関の方で資金繰りや事業計画書等を作成するので、このキャッシュフローが注目されています。
この話をするとまた長くなりますので、キャッシュフローの話はまた別の機会に。
ではでは。
大阪市西区の税理士・FP事務所、門田会計事務所。
所得税・法人税・消費税・贈与税・相続税の申告・税務相談。経理・記帳代行の会計相談。家計相談等のファイナンシャルプランナー相談。その他簿記・FP・証券外務員・ビジネス実務法務等の各種検定の講師等については当事務所まで。