外形標準課税の適用拡大?
おはようございます。大阪市西区の税理士・FP(ファイナンシャルプランナー)事務所、門田会計事務所です。
本日ネットでニュースを見ていると外形標準課税の適用拡大される可能性があると言う記事がありました。もしかしたら聞きなれない名前の税かも知れませんが、外形標準課税自体は10年ぐらい前からある税金です。また、私自身が学生していた時にも検討されていた税金の一種でもあります。中小企業の普通法人には適用が無かったので、あまり聞きなれなかったかもしれません。
ではどういった制度なのか?と言う話になりますが、この外形標準課税は、「法人事業税」の一種です。
対象は現在資本金1億円超の法人となっており、現在のところ中小企業は対象では有りません。これを拡大するかも?と言う話が出てきています。
外形標準課税は「所得割」「付加価値割」「資本割」と3つの課税標準(課税の対象)に分かれて計算し、これを合計した金額が法人事業税となります。
所得割は税率は異なりますが、中小企業も同じ様に計算しているので分かりやすいかと思われます。つまり利益に対して税率がかかります。
付加価値割は給与等がその法人の付加価値であると看做してこれに税率をかける方式で、資本割については資本金がその会社の価値であると看做してこれに税率をかける方式です。
簡単に制度を書くと以下の様になっています。
付加価値割=各事業年度の付加価値額
資本割=各事業年度の資本等の額
所得割=各事業年度の所得の金額
付加価値割=収益配分額(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料)±単年度損益
資本等の額=法人税法第2条第16号に規定する額(連結法人については、同条第17号の2に規定する額)から、無償減資等の額を控除するとともに、無償増資等の額を加算した額
所得金額=益金の額-損金の額
これに大阪府の場合は以下の税率がかかってきます。
所得割×1.69%~3.26%の累進課税
付加価値割×0.504%
資本割×0.21%
これらを合計した金額になります。
ここで1つ問題になるのが、外形標準課税は赤字法人であっても税金がかかると言うことです。気付きましたか?資本割について見てください。
簡単に言うと資本金に対して税率をかけることになっています。つまり、所得や損失については何も関係有りません。資本金が有れば税金が発生することになります。
会社は会社法の改正(その前は確認会社の時代から)資本金1円から設立することが出来ることになりましたが、信用の問題等から1円で設立している会社は少ないと思われます。少なくとも1,000,000円ぐらいは資本金は欲しいところです(初期費用で少しかかるため)。
1,000,000円×0.21%=2,100円
少額ですが、赤字でも税金が発生するのが、きついかもしれません。
これからどうなっていくのか。気にしていく必要が有りそうです。
ではでは。