外れ馬券経費訴訟、第二審。

おはようございます。大阪市西区の税理士・FP(ファイナンシャルプランナー)事務所、門田会計事務所です。

ここ最近注目すべき税務関連ニュースが多いですね。まず先週の金曜日に出た判決で、競馬の外れ馬券が経費となるか?と言う訴訟の第2審判決が出ました。第2審も第1審と同じく経費となり、この事件の場合はFXと同様の取り扱いをして雑所得となると言う判決を支持しました。

簡単に事件の概要と争点を書くと、A氏は競馬で儲けて生活をしていました(たった一度の競馬では無く、毎回かなり多くの金額をかけて、勝つ時もあれば負ける時もあり、トータルで収支プラスに持っていき生活をしていました)。そもそも通達(法律では有りません)によると、馬券は一時所得に該当し当たった馬券を購入した金額しか経費として認めないと言う事になっています。

そこで課税庁はこの点に注目して、課税をしてきたところ、外れた馬券も合わせて課税されるべきだとして訴訟に発展しました。

そもそもこのA氏は申告自体していないので、どちらにしろ「脱税」という面は免れません(この点で争いは無い様です)が、その金額について争いがありました。

今回のケースは最初に書いたとおり、「雑所得」として外れ馬券も経費として認められました。「一時所得」で有れば所得の計算上、経費(支出した金額)を差し引いて最後に2分の1するのですが、それが無く反復的であること等の理由から「雑所得」として認定されました。

ここのニュースで勘違いして欲しく無いのが、「競馬をすれば何でも『外れ馬券は経費』となる」と言う認識になることです。今回のケースは「レアな」ケースとして外れ馬券が経費として認められました。

競馬の所得が原則として一時所得であり、外れ馬券は経費とならないという立場は崩していないと考えられます。勿論これが正しいかどうかは、訴訟によって解決されていくのだと思います。私個人的な意見は差し控えさせていただきます。

営利目的として「反復して継続的に」競馬をすることに「限り」、外れ馬券は経費として認められた様子です。では今後これが認められるとすれば、どれぐらいの頻度でこの営利目的として「反復して継続的に」競馬をすることが「雑所得」に当たるのかと言う線引きが問題になってくると考えられます。非常に難しい判断でしょうね。北海道の方でも同様の事件が訴訟に発展する(記憶によると、つい先日不服審判で経費にならないと採決されたはずです)可能性が有りますので、こちらの方も見守って行きたいところです。

今日はこの辺で。

ではでは。

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