法人の実効税率引き下げ?

おはようございます。大阪市西区の税理士・FP(ファイナンシャルプランナー)事務所、門田会計事務所です。

一昨日のブログで最近の税務ニュース関連を2つ書こうと思っていましたが、思いの外競馬訴訟の話が長くなりまして、今回はもう1つの税務ニュースについて書きたいと思います。

法人税の実効税率を下げる動きが加速している様です。35%程度の実効税率を5年後に20%程度まで下げる方向で行きたいとの話も出ている様です。実効税率を下げることにより、海外から企業を誘致することが狙いです。と同時に低い税率の海外へ企業が逃げてしまわないようにするのも狙いだと考えられます。

※実効税率とは、法人税・法人住民税(大阪市の場合は法人府民税・法人市民税)・法人事業税の3つの税率を合わせた数字だと考えて下さい。ただ、法人住民税については法人税×税率ですので、少し計算方法は異なります。この実効税率は、法人の所得(利益)に対してどれだけの税率がかかるかを示したものだと思っておいて下さい。

 

この実効税率を下げることで、政府としての税収が当然減ります。

ここで

税率×課税ベース=税収

税率↓×課税ベース↑=現在の税収を維持

と言うロジックが生まれてきます。これは私が学生時代の10年以上前から言われていました。課税ベースの拡大。ここがポイントになってきます。

ただ、これによって税率は下がっても実際の税負担は変わらないということが起きます。ここで反発が免れないと考えられます。

では今どういった案で課税ベースを拡大しようとしているかと言いますと…ネットニュース(産経新聞)によると…

○ 減価償却の見直し…償却費の方式を定額法に一本化し初期財源を確保

○ 中小企業支援税制の見直し…法人税率を低く抑えている特例措置の適用範囲の縮小

○ 欠損金の繰越控除の縮小…赤字の繰越期間を現行9年から縮め、限度額を所得の8割から下げる

○ 配当金の益金不算入の縮小…資産運用目的の株式保有は益金算入し、企業に税負担

○ 外形標準課税の見直し(この前書きました)…黒字企業に対する減税を強化する一方、赤字企業は増税に

○ 公益法人課税の見直し…法人税率を低く抑えている特例措置の適用範囲の縮小など

○ 研究開発減税の縮小…平均売上高に占める10%を超える研究開発費減税を縮小

となっています。個別について少し論点もあるかと思いますが、それについては次回以降のブログで書きたいと思います。

今日はこの辺で。

ではでは。