起業の仕方

開業や設立の届けを出す前に

事業の形態について個人にするか法人にするかは、以下を参考にして下さい。
事業の形態よりも先にしておかなければならない事
事業計画や経営計画です。資金調達(借り入れ)にも役になってきます。
どれだけの見込みの売上が有るか?や仕入れ先はどこからか?など、これから一年間の収支を数字で把握する事はとても大事です。
また店舗を持つ場合(飲食業や医師(獣医・動物病院も同じです)や鍼灸・整骨院や雑貨屋や介護事業・葬儀会社等)、不動産の周りを下見する事も大事になってきます。
どういう人達が居て、どこにニーズが有るのか?などまず本格的に起業となると見切り発車では無く、充分な計画の元事業を立ち上げる様にして下さい。
また、充分な計画とは言いましたが、そこまでガチガチにする必要は無く(例えば予測売上1,234,567円と言う様に1円単位まで予測する必要は無く)、ある程度曖昧な部分も残しておいた方が良いです(予測売上100万円と言った様に)。
その次の段階として、個人にするか法人にするかを決めていきます。

個人と法人の違い

個人で起業する時

税務署に「開廃業等の届出書」と言う書類を提出するだけで開業(起業)した事になります(1ヶ月以内)。 この時に「青色申告の承認申請書」を出す事によって青色申告が出来る様になります(2ヶ月以内)。

法人で起業する時

法人の形態が有り(それぞれの法律によって定められています(法人編参照)。最も有名なのは会社法に規定する株式会社です。)、それによって手続きが異なります。
最も有名な株式会社の場合は(提出場所はリンク参照)
定款作成

定款認証(公証人役場)

登記(法務局)

設立届出書(税務署、府税(都税、県税)事務所、市(区・町)役所)

健康保険・厚生年金保険新規適用届(年金事務所)

(労働者を雇った場合)労働保険の 保険関係成立届(労働基準監督署又はハローワーク)・雇用保険に入る時は、「雇用保険適用事業所設置届」 及び 「雇用保険被保険者資格取得届」(ハローワーク)
と言う流れになります。

費用は、定款認証の時に公証人手数料と定款謄本の手数料として約52,000円(電子認証の場合は52,000円、紙で申請する時は印紙代として+40,000円必要ですので、92,000円となります)、登記費用として資本金の額にもよります(資本金が約2142万円を超えないとこの金額になります)が、15万円は必要です。
その他の会社の形態ですが、合同会社、合資会社、合名会社など有ります。 この3つについては定款の認証が不要です(法人編参照)。また登記費用についても最低60,000円で設立出来ます。 ただし、定款の認証について公証人手数料は不要ですが、印紙代は必要です。
それ以外に一般社団法人や一般財団法人と言う形態も有ります(法人編参照)。
これは定款の認証が必要です。また登記の際は60,000円で設立出来ます。

メリット・デメリット

個人

メリット

容易に開業出来たり廃業したり出来る事(法人については原則登記が必要になります)
簿記が法人より容易な事
赤字だと税金は無い事
他の所得と通算出来る事

デメリット

生命保険契約について費用と認められる部分は少ない事(生命保険料控除(コラム編を参照))
最高税率が法人に比べて高い事

法人

メリット

信頼が高まる事
税率が個人の最高税率より安い事
役員報酬が使える事(ただし、現在この事については税制改正中)
生命保険などの法人契約が出来る事
準備金の設定
決算日がいつでも設定出来る(例えば4月20日に決算をするなど。個人については(死亡や廃業等を除き)12月31日と決まっています。)
事業承継がしやすい事

デメリット

交際費の一部が費用として認められない事(租税特別措置法第61条の4。資本金に制限有ります。)
赤字でも税金が必要な事(都道府県・市区町村によって異なりますが、最低70,000円)