税制改正(その2)。

こんばんは。大阪市西区の税理士・FP事務所、門田会計事務所です。

前回のブログに引き続き今回も3月30日に国会を通過した租税特別措置法や所得税法等の改正について、ざっくりと重要な部分だけ書いていきたいと思います(細かく書くと非常に多くの部分が変わっています)。

今回は相続税に係わる租税特別措置法中心に書いていきたいと思います。ちなみに前回は所得税法の改正を中心に書いていました。

所得税で租税特別措置法関係で少し改正が有ったのは・・・

住宅ローン控除関係です。ただし今回の改正は一定の要件を満たす住宅に関して住宅ローン控除を認める等「通常」の住宅ローン控除には特に影響は有りません。ここまで書いてると非常に長くなりますので割愛します。詳しくは税務署又は税理士に聞いてください。

 

前回のブログの最後で少し書きましたが、今回相続税の改正も有りました。

特に影響が有ると思われるのは相続税法本法の改正では無く租税特別措置法の改正だと思われます。

ちなみに本法の改正は一定の場合における連帯納付義務の解除等です。

今回の改正の相続税の目玉は「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の延長及び拡大でしょう。

あ、相続税と言ってますが贈与税の改正ですね。まあ贈与は相続の前身ですし、贈与税法って言うのも有りませんのでその辺は許して下さい(笑)。

ざっくりと書きますね。

平成21年から始まっている制度ですが、通常親から子に住宅資金を贈与した場合一定金額まで非課税(基礎控除の110万円とは別)になります。

それが昨年で終わるハズだったのですが、平成26年まで伸びました。

以下の内容で変わっています。

1.省エネルギーや耐震性がある住宅用家屋(新築・中古・増改築も含む)の資金

平成24年・・・・1,500万円

平成25年・・・・1,200万円

平成26年・・・・1,000万円

ただし、東日本大震災の被災者は全ての平成24~26年について1,500万円(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第38条の2第1項)

 

2.1以外の住宅用家屋(上記に同じ)の資金

平成24年・・・・1,000万円

平成25年・・・・700万円

平成26年・・・・500万円

ただし、東日本大震災の被災者は全ての平成24~26年について1,000万円(東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第38条の2第1項)

 

つまり、例えば親から子に平成24年耐震性等備えていない住宅の取得の資金として1,500万円贈与すると以下の式により贈与税がかかります。

1,500万円-1,000万円(住宅取得資金の非課税)-110万(基礎控除)=390万円←これに対して税金がかかってきます。

390万円×20%-25万円(200万円×10%+(300万円-200万円)×(15%-10%))=53万円

となります。

 

またこの住宅用家屋の床面積の基準(案としては上限が設けられる様です)も変わる様ですが、これは法律の改正では無く政令(租税特別措置法施行令)の改正なので、まだ未確認の為本ブログでは書きません。

この改正は24年からですので、もう適用されています。

 

その他の改正は特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例の平成26年12月31日までの延長、山林についての相続税の納税猶予の創設等です。

この住宅取得資金の非課税と住宅取得資金の相続時精算課税の延長の2つの改正が大きく影響を与えるのかなと思っています。

相続時精算課税については、皆さんご存知かと思われますので割愛させていただきます。

ざっくり書きますと通常親から子へ贈与した時、2,500万円まで贈与時は非課税にしてその分後の相続時に精算する(相続税の対象とする)と言う話です。

以上が相続税の今年の大きな改正になります。

昨年案に出ていた基礎控除の減額等は今年の改正では有りませんでした。ただ、その内この部分については変わる可能性は高いと思われます。ただ、未確定なので現在は現状のままで「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」ですので、案で有る内は適当な事は言えないと思っています。

 

その他環境税等の改正も有ります。様々変わっています。上記の繰り返しになりますが、細かい部分は割愛させていただいております。お近くの税務署又は税理士にご確認下さい。

尚、前回の生命保険料控除の改正の時にも質問が有ったのですが、一応税制改正のチラシ等の資料(2次資料)を見ておりますが、同時に議案等の法律案や法律そのもの(1次(原始)資料)を見てそれを基に書いていますので、計算式が異なる場合が有ります(結果は一緒になります)。

個人的な事ですが、モノを書く時は2次資料では無く1次資料が原則だと思っていますので、当事務所のブログはそう言う形になっております。その分読みにくいかも知れません。申し訳有りません。

チラシや新聞等の2次資料は計算式が簡易になる様になっております。使う時はそちらをオススメします(笑)。