営業権の相続税評価

こんにちは。大阪市西区の税理士・FP(ファイナンシャルプランナー)事務所、門田会計事務所です。

少し所得税の話が続いていましたが、今回は相続税の話を書きたいと思います。

営業権と言うのをご存知ですか。営業権とは資産には評価されませんが、その会社や事業が持っている潜在的な力を指します。通常貸借対照表にあらわれませんが、会社の売却時などでは発生する無形固定資産です。ブランド力という考え方が良いかも知れません。「暖簾(のれん)」とも言われます。

相続税を計算する上での営業権の評価は以下の計算式によって評価します。

平均利益金額×0.5-標準企業者報酬額-総資産価額×0.05=超過利益金額

超過利益金額×営業権の勤続年数(原則として、10年とする。)に応ずる基準年利率による複利年金現価率=営業権の価額

※ 医師、弁護士等のようにその者の技術、手腕又は才能等を主とする事業に係る営業権で、その事業者の死亡と共に消滅するものは、評価しない。

 

平均利益金額とは、簡単に言うと繰越損失や非経常的な損益の額、青色事業専従者給与や役員報酬を除いた3年間の所得の平均額を指します。

 

標準企業者報酬額とは次に掲げる平均利益金額の区分に応じ、次に掲げる算式によって計算した金額です。

平均利益金額の区分     標準企業者報酬額

1億円以下         平均利益金額×0.3+1,000万円

1億円超~3億円以下     平均利益金額×0.2+2,000万円

3億円超~5億円以下     平均利益金額×0.1+5,000万円

5億円超          平均利益金額×0.05+7,500万円

 

この計算で計算されるので、平均利益金額が5,000万円以下の場合は、標準企業者報酬額が平均利益金額の2分の1以上の金額となるので、営業権の評価が0になります。

 

上記の計算で出てきた評価で営業権は評価しますので、相続税を計算する上ではこの金額も含めることになります。

 

ちなみにM&Aなどによる譲渡の営業権の評価とは異なっていますので、注意して下さい。企業価値は時価純資産法やDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法など評価されますが、この計算式の中で営業権の算出方法は過去3~5年平均の利益×3(もしくは5)とされている様です。

詳しくはお近くの税務署又は顧問税理士にお尋ね下さい。

ではでは。

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